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西山紅葉メイン特別小説

えー、この前からたまに話題として出てる、「西山紅葉がヤンデレになった話」を上げておきます。




<注意!!>
・これは「生徒会波乱物語」とは別物です。
・出てくるのは西山紅葉、西山桜、神野和樹で、全員生徒会には所属していますが、それだけの関係です。
 四股とかそれは別の話です。
・能力云々についてはありません。至って普通の話。
・死ネタ及び残虐的描写が含まれています。苦手な方は閲覧をお控えください。
・西山姉妹の両親については今回もご退場させて頂いておりますが、暗部機関の設定もナシです。
 じゃあこの2人はどうやって生きたんだ? とツッコまれそうですが、そこだけは見逃してやってください。
 考えてる余裕がありませんでした。

・なお、これは三題が上手く合えば続きます。その時はまた公開すると思われ。
 ちなみにその場合、続編には西山紅葉、神野和樹、そして????が登場します。


では、続きよりどうぞ。






<三題噺(6)>
ジャンル:現代
小道具:制服
セリフ:「許してもらわなくてもいい」
(セリフは本編中、多少改変して使っています)




『恋する乙女の惨劇』




「っし、これで終わり!」

生徒会室のパソコンに最後のデータを入力。そしてあたし、西山紅葉はくるりと半回転した。
大好きな人と話をするために。

まず何から言おうか。やっぱり「一緒に帰ろう」かな。
帰り道ではどんな事を話そう。うきうきしながら、あたしは口を開き―――

「あの、和樹さん。今日、買い物に付き合ってほしいんだけど……」
「買い物? あー、お前また何か壊したのか。相変わらずドジだな、桜は」
「ち、違うよ。何も壊してない」
「そうなのか? ま、いいぜ。行こう」

用意した言葉を、引っ込めた。

あたしの双子の姉・西山桜が立ち上がり、少し照れた笑みを浮かべる。
肩で揃えられた髪がふわりと揺れ、僅かに目にかかった。
それを軽く払いつつ、姉は荷物を手に取る。

姉のまるっこい目が見ているのは、あたしの想い人・神野和樹。あたしたちと同じ生徒会役員だ。
男子としては平均的な背に、細いながら引き締まった体。楕円形の優しい目が、ふとあたしへと向けられた。
あたしがぽかんと口を開いているのが気になったらしい。

「ん? どうした紅葉、なんかあったのか?」
「へっ? ああいや、なんでもないなんでもない。姉、買い物に行くの?」
「うん。色々、買いたくて」
「そ。あたしは先に帰っとくから、ご飯は外で食べてきな」

そう言って、返事も待たずに立ち上がる。
姉が何か言いたそうにしていたが、声が発される前にあたしは背を向けていた。
バタン! と乱暴に、生徒会室のドアを閉めた。
決めた。
やっぱ殺そう。邪魔だ。



あたしの家族は、あたしと姉しかいない。
両親は大昔に死んでしまった。それからあたしたちは、互いに協力して生きてきた。
苦手な家事を頑張って覚え、交代で料理をする。休みの日には2人で出掛け、色々と遊んだり。

あたしたちは仲良し姉妹。
ずっと続くと思っていた。

けれど、そんな幻想は簡単に壊れていく。あたしの妬みによって。

きっかけは、恋。
「人のために何かしてみようよ」と姉に誘われ入った生徒会。
そこであたしたちは、和樹と出会った。

ぶっきらぼうだけど面倒見がよくて、優しい人。
あたしの話を楽しそうに聞いてくれて、何かに困ったらすぐに助けてくれる。

好きになったきっかけは……いつだったか。あたしが疲れた時、生徒会の仕事を手伝ってもらった上に、晩御飯を作りにきてくれた事だったかなぁ。

といかく、あたしは和樹が大好きだ。
だが……間の悪い事に、あるいは双子だからか。姉も、同じく和樹を好きになってしまったらしい。
直接聞いた事はないけど、見れば分かる。姉の和樹を見る目が、あたしのそれと同じだから。

そのせいで、あたしはずっと悩んでいる。
今まであたしは、何事も姉を優先していた。姉は気弱だから、そうしないとかわいそうなことになる。
あたしに遠慮して欲しい物を手放す姉は、あまり見たくない。

だけど、今度だけは譲れない。
しかし、姉も今回は手放してくれないのだ。あたしよりも姉の方が、和樹と仲が良い。

―――いつもいい思いをさせてあげてるんだから、たまにはあたしにも譲ってよ。

その気持ちは、いつしか憎しみへと変わっていった。
姉さえいなければ、何も苦労しないのに。
邪魔なのだ、だから殺す。困難に頭を抱えるだけなんて、あたしらしくない。

「……ふぅ」

自分の気持ちを確認したところで、家に到着。靴を脱ぎ着替え、殺すための手段を考える事にした。

さて、どうやって殺そう。
ややこしい事はしない。失踪させればいいだけだ。
ああ、いい方法を見つけた。全身バラバラにして、庭……いや、近くの山にでも埋めてしまおう。
うん、邪魔者への報いとしてはぴったりだ。

凶器は……まあ包丁でいいや。台所へ行き、それを取り出す。
もちおん、今まで使った事のない新しいものを。
銀にきらめく刃を見て、あたしは唇を歪めた。この小さな道具一つで、和樹に近づけるんだぁ。

死体をバラバラにするには……物置の鋸を使おう。
裏口から庭へ。靴の踵を踏むのも構わず、ぎぃ、と錆びた扉を開ける。
途端、襲いかかってくる埃の臭い。
思わず咳き込みつつ、あたしは手を伸ばした。

目的のものはsぐに見つかる。やや古ぼけてはいるが、これでいい。

姉を殺して埋めるまでの流れを、もう一度頭へ叩き込む。
これで準備は整った。あとは帰ってくるのを待つだけ。
自分の部屋に包丁を持っていき、ベッドの上に寝転がる。
あーあ、早く帰ってこないかなぁ。

見飽きた壁をぼーっと見る。
そういや昔、壁の染みが何に見えるかって、姉と話したことがあったっけ。
最後には姉が怖がって、その夜は一緒の布団で寝たのよね。

「懐かしいなあ」

呟いた瞬間、熱がすっと冷めた。

―――本当に、殺す必要ってあるの?

確かに姉は邪魔だ。だが、だからといって命を奪ってもいいのだろうか。
「あたしに譲って」と言うだけでは足りないのか?

包丁を壁へと投げつけ、ごろりと仰向けになる。
想い人とはいえ、たかが他人。そのために、自らの半身を削ってもいいのだろうか。

踵を振り上げ、落とす。
……足りない。
起き上がり、ベッドに拳を叩きつけた。足りない足りない足りないッ!
イライラする。もう訳分からない。あたしにどうしろっていうのよ!

姉を排除しなくても解決する方法とかないのか? あたしが和樹に好きって伝えて、既成事実を作るとか。
いやいや無理だからそれ。想像したら顔が赤くなった。枕に顔をうずめて足をバタバタ。
あたしが和樹と……いけない、ちょい落ち着けあたし。

深呼吸をした後、階下からドアが開く音がした。
慌てて包丁を掛け布団の中に隠しながら、あたしは立ち上がる。



姉に部屋まで来てもらう。疲れたのかやや顔を上気させた姉は、あたしを見るなり首を傾けた。

「どうしたの、紅葉……? おなかすいたの?」
「まっ先にそう言うあたり、相変わらずボケてるわね。そうじゃなくてさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

とりあえず前置き。だが姉は、思いもよらない言葉を返してきた。

「和樹さんのこと?」
「……っ」

一瞬、心臓が跳ねた。
まさしくその通り。否定できず、あたしは小さく頷く。

「よかった。私も、そのことで話があるの」
「え、あんたも?」
「うん。あのね……紅葉、和樹さんのこと好きだよね」

今度こそ心を鷲掴みにされた気分だった。
こいつ、虫も殺せないような顔でなんてこと言いやがる。
けれどやっぱり嘘はつけない。ましてや和樹のことだ。逆に胸を張れる。

「好きよ。それが?」
「やっぱり。紅葉は和樹さんが好き」

細く白い指が、あたしを指し、

「私も……和樹さんが、好き」

姉へと向く。

「それで?」

たぶん、あたしの声は一オクターブくらい下がっているだろう。
のんびりとした姉の口調がイラつく。

「だけど私、紅葉のことも好き。だから……あんまり、後腐れとかは嫌なの」
「で? あんた、一体何が言いたいのよ」
「ええと……私たち、ライバル?」

提案されたのは対等な立場。ああそう。あたしに譲ろうって気は、全く無いわけか。

「うん、私と紅葉は、ライバル。だから紅葉、私に遠慮しなくても、大丈夫だよ」
「そう。じゃあ、お言葉に甘えることにするわね」
「うん。えっと、それだけだから……今日は、おやすみ」
「そうね、おやすみ―――」

背を向けた姉には、見えない。
あたしの手が、どこへ伸びているか。



「永遠にねッ!!」



飛びかかる。え? という姉の声は、濁点混じりで吐き出された。
どすり、と姉の背に包丁を突き立てる。そのままあたしは小さな体を押し倒した。包丁を抜き、早くも赤くなりだした背中に、馬乗りになる。

声にならない悲鳴と僅かな抵抗に構わず、あたしは刃を振り下ろす。
ぷつん、と肉が弾ける感触。右足で、後頭部を叩きつける。
顔を見ると、手が止まってしまいそうだから。

手を振り上げては下ろし、すぐに引き抜く。
肺を貫通したか、姉の口から赤黒い血が吐き出された。それでもあたしは手を止めない。

やがて姉からの抵抗が完全に消えた。
いつの間にか荒くなっていた息を整えながら、あたしはゆっくりと立ち上がる。
気がつけばドアと床、そして姉の背にはおびただしい血が。

「姉」

声をかけてみた。返事はない。

ああ、やったのか。感慨なんてものはなかった。やったんだと思うだけで、悲しくもない。
ただ思い浮かべるのは、ここにいない片想いの相手ばかり。

今まで考えていなかったけど……姉がいなくなったと知ったら、和樹はどう思うだろうか。
いや、考えなくても分かる。まず間違いなく悲しむだろう。
そんな和樹の様子、見たいとは思わなかった。

「まずったかも……?」

後悔の念が沸き上がりそうになり、あたしは慌てて首を振る。
姉だって、和樹にたくさん迷惑をかけてきた。生徒会に入りたての頃も、最後まで仕事を覚えなかったのは姉だ。和樹も手を焼いていただろう。

だから和樹だって、邪魔者がいなくなったら喜ぶはずだ。
うん、誰も不幸になんてならない。あたしのやった事は、間違ってないんだ。

立ち上がり、家族だったモノを見下ろす。
ふと、視界が滲んだ。ああ、結構汗を掻いたんだな。でも休む訳にはいかない。やるべき事は、半分しか終わっていないのだから。

服の汚れていない部分で目をこする。
まずは手にまとわりつく気持ち悪いモノを洗い流そう。
紅色の包丁を投げ捨て、血溜まりから死体を担ぎ上げる。
落ちていた携帯電話は蹴り飛ばしておいた。



「……ふぅ」

時計の短針が頂点を越え、草木も眠る時間になった頃。
あたしは全ての作業を終えた。

血まみれの肉塊を鋸でバラバラにして袋に詰め、真夜中の山へと赴くのは苦労した。心身共に。
必要な事とはいえ人の肉を切り落し骨を削るなんて、もう二度としたくない。

埋めるための穴を掘る時も、無心でないとやってられなかった。
少しでも何かを考えると、体の支えを失いそうだったから。

部屋の血は、ある程度は妥協しなければならない。
しばらくはあの臭いに苦しむ日々となるだろう。

「疲れた……」

倒れそうになる体を無理矢理に動かす。
今すぐに眠りたい。そして明日、朝イチで和樹に会うんだ。
そうだ、姉の行方不明をまず報告しよう。そしたら和樹は、あたしの事を心配してくれるかな。
一緒にいてやる、なんて言われちゃったりして。

「ふふふ……あれ?」

妄想でにやついていると、ふと何かが違う事に気付く。
なぜか、あたしは姉の部屋に来ていた。

そういえばここも掃除しないと。ま、それはまた後日。今はとにかく寝たい。
そう思い、自分の部屋に帰ろうとした。

その時。

「ん? 何これ」

机の上に、何やら白い物が置いてあることに気付く。
気になったあたしは、それをつまみ上げた。ルーズリーフに綴られた、丸っこい字。
最初の行に『和樹さんへ』と書いている。

文章に目を通したあたしは、すぐに胃の中の物を吐き散らしたくなった。
これラブレターだ。『和樹さんのことが大好きです』とか書いてやがる。

心が殺意に塗りつぶされる。衝動的にそれを引き裂いた。耳を塞ぎたくなるような音。
紙片となった想いが、舞う。
床に落ちた想いの欠片を見下ろし、あたしは歪な笑みを浮かべた。
言葉にできない達成感。ゴミ箱に放り込もうと、手紙だった物を拾い上げる。
その時、ふと字が目に入った。

『ら、紅葉のこと』

「……あ?」

思わず変な声がでた。あたし? 悪口でも伝えたかったのか?

自ら破った紙をくっつけると、何とか読める。
さっきの文字は『それから、紅葉のこと』で、そのあとに五行くらい文章が続いている。
目を通したあたしは、はっと息を呑んだ。

『紅葉も、きっと和樹さんのことが好きだと思う。
だから和樹さん、私にばっかり構ってないで、紅葉のことも見てあげて。和樹さんといる時、紅葉、すっごく楽しそうだから。
だからね。私も、和樹さんのことが好きだけど……私よりも紅葉のこと、よろしくお願いしますっ』

これは……何だこれは。意味が分からない。何が書かれているのかも意味不明。ってかこれ日本語か?
これが和樹の手に渡らなくて本当によかった。こんなもの読まされたら、混乱するに決まってる。
また和樹を困らせたかったのか、あの馬鹿姉は。

なんて、必死に言い訳を重ねても。

あたしには、どうしてもこの文章の意味が分かってしまった。
つまり姉は……最初から、和樹をあたしに譲ってくれる気だったんだ。

『私に遠慮しなくても、大丈夫』

あれはそういう意味だったのか。ライバルとか言ってたけど、そうやってあたしを駆り立てようとしていたのだろうか。

じゃああたしは、そんな姉を―――あたしのために恋を諦めた人を、殺したのか?

今更になって、後悔の気持ちが生まれる。
時間をかけ戻りたい。全身にどっと嫌な汗が吹き出してきた。
体が崩れ落ち、目の前がぐるぐると回る。

―――けど。いや、違う。あたしは正しい事をしたんだ。
何も間違ってない。和樹と結ばれるために、邪魔になるものを消した。
望む未来のために努力した。何がおかしい?

あたしはそう思い込むことにした。心を保つために。

「許してほしいとは言わないわよ」

立ち上がる。ぎゅっと歯をくいしばって。

「あたしは幸せになる。絶対に」

それだけを吐き捨てて、あたしは部屋へと戻った。
今夜は寝られそうもない。



翌日。

「よお紅葉。ってお前、どうしたんだ? すげー眠そうだな」
「おはよ。ちょっと色々あって」
「そっか。今日は生徒会の仕事も入ってないし、ゆっくり休めよ。なんだったら保健室に行ってこい」

相変わらず優しいな、和樹は。すがりたくなる気持ちを我慢して、あたしは手をひらひらと振った。

「そうする。ありがと」
「おう。……ん? なあ、勘違いだったら悪いけどさ。お前が頭につけてるそれ、桜の髪留めじゃねえか?」

あ、気付かれた。ホントすごい。

「ま、色々あってね」
「へー。ってか、よく見たらその制服……サイズ違わねえ? あれ、まさかそれも桜のか?」
「大正解。ところでさ」

んー……いや、後にしよう。今はとりあえず横になりたい。

「和樹、放課後に顔貸してよ」
「お、おう」
「服の理由はそん時に話すから」

ぽかんとしている姿を背に、あたしは着慣れない制服で歩き出す。
どんなものを犠牲にしてもたどり着きたい、和樹の横っていう最高の場所へ。
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[ 2010/06/07 20:16 ] サイト・自作小説のこと | TB(0) | CM(1)

誤植

掲載していただきありがとうございます

誤植報告です

目的のものはsぐに見つかる。やや古ぼけてはいるが、これでいい。

こんなとこに誤植が出るとは
[ 2010/06/09 01:03 ] [ 編集 ]

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