スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

ライトノベル感想『八丈島と、魔女の夏』


八丈島と、魔女の夏 (一迅社文庫)八丈島と、魔女の夏 (一迅社文庫)
(2012/05/19)
小椋 正雪

商品詳細を見る

両親の長期出張で俺が預けられた先は八丈島?!しかも、俺を預かってくれることになった親父の親友は本物の魔女?!島に住む少女、真奈との出逢い。そして八丈島の穏やかな生活と魔女エーファのまわりでおこる不思議な事件。俺のわりと波瀾万丈な八丈島生活がここに始まる!第一回キネティックノベル大賞佳作。

今月9冊目。

著者:小椋正雪さんは、小説サイト「LUNAR!」にて、二次創作(主にKey系)の話を書かれてらっしゃる方です。
また、「Rewrite ノベルアンソロジー」の話の1つも書かれてらっしゃいます(私も以前、このブログで感想を書いたはずです)。

そんな方の、初単行本。




とりあえず、本の内容とはさほど関係のないことを。

あまり“死”という言葉を容易に使いたくない私ですが、敢えてその言葉を使うならば、
“死ぬまで出るのを待ち続けていた本”が、去年4月に出た『Kanon ~彼女たちの見解~』で、
“死んでも読みたい本”が、先月に完結した『断章のグリム』で、

“死んでも読まなければならない本”が、今回の『八丈島と、魔女の夏』です。

それほどに作者さんが好きなんです、私は。
小説サイトの頃からずっと読み続けていましたが、今回の単行本化は実に素晴らしい出来事だと思います。




さて感想。いくら作者さんが大好きだからといって、いつも通りにいっくよー!

真っ先に思ったのが呼称の変更。……誰か突っ込めよ! しかも後に他のキャラへの呼称までさり気なく変わってやがるし!
この「さり気なく呼称が変わっている」という手法は大好きなんですが、誰か、誰か突っ込む余地はなかったのか……っ!
ただ私も、呼称が変わったことにすぐには気づきませんでした。それほど物語に入り込んでいた、ということか。

あともう1つ疑問が。表紙のアレは一体何でしょうか。え、あの、なんか本編の2人が組み合わさったような容姿になってますが? あれー?

と、気になったのはそこまでで。

やはり物語誕生の発端が発端だけに、風景描写がやたら凝っていました。詩的とか美しいという訳ではなく、「簡潔で読みやすく、それでいて明確に思い浮かべることのできる文章」、「かつ、本編のアップテンポを阻害していない」という、ライトノベルとしてはまさしく大成功な文章でした。
読みながら頭の中に景色を思い描きつつ、そこでわいわいと楽しそうにしているキャラクターを想像するのは、ラノベの醍醐味の1つなのではないでしょうか。

そう考えると、あまりややこしくない、楽しい日常に留まっただけの話も、舞台に合っていると思います。
確かに盛り上がりには欠けますし、本編の6割ほどは「延々と八丈島を紹介しているだけ」ではあるのですが、それがむしろいい。読みやすく楽しく、物語にのめり込むことができる。
アップダウンの激しい話はワクワクしますけど、1ページごとに手を止めるほど考え込む必要があります。
対してこちらは、さらっと読める。
さらっと読める時のデメリット、「印象に残らない」という部分を、八丈島という舞台・描写が補っているようにも思えました。

キャラクターについて。正直、キャラクター小説と言うには薄いというか、1人1人を掘り下げたわけでもないので、さほど思うところはなく。けれど小説の基本中の基本、「何度も出てくるキャラクターは印象に残りやすい」という点を、徹底していると思います。

物語に出てくる5人中、脇役ポジションの3人は、「主人公と出会ってから最後の話まで、ほとんど終始、物語に出続けて」います。これで3人のことも印象に残りつつ、自然と眼は主人公&ヒロインへと向かう。良い意味での盛り上げ役になっているのではないでしょうか。
この辺、『乃木坂春香の秘密』や『小春原日和の育成日記』、『おれと一乃のゲーム同好会日誌』など、同じタイプのラノベに見られた手法だなぁ、と思います。案外、「キャラクターの出番を増やす」だけのことも、馬鹿にはできないものです。



この本は、「ラノベ初心者」と「ラノベ熟練者」に向けた1冊ではないでしょうか。

初心者にとっては読みやすく、ラノベってこんな感じか、とわかりやすい。
一方熟練者には、なんでもない一文一文が実はものすごく凝っていると勘付き、あれこれ考える。
私はまだ、熟練者と言われるほどラノベを読んだわけではありませんが、「両極端の人に合う話」だというのは分かりました。

逆に言えば、中途半端にラノベに慣れてきた人(だいたい100冊前後読んだ人……くらいかな?)にはあまりおすすめできません。何も残らない話になっちゃいますから。

あるいは、八丈島、という1つの要素につられて買ってみるのも1つの手というか、それも狙っているんじゃないかな、って感じですが。

何にせよ、さらっと読みつつ、ラノベの基本を思い返しながら、(八丈島に行ったことがない人は)見知らぬ土地の話を楽しめる、良い1冊だったと思います。
関連記事
スポンサーサイト
[ 2012/05/23 03:26 ] ライトノベル・小説 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://darkness3538.blog77.fc2.com/tb.php/1679-1299e172











上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。